契約前に知っておきたい

2021.08.27

患者申出療養とは?自由診療とあわせて知っておきたい概要を解説

先進医療自由診療と並んで出てくる患者申出療養ですが、まだまだ耳にされたことのある方は少ないと思います。
保険業界ではがんの自由診療に対応する商品が増えてきていますが、それとともに患者申出療養という言葉もちらほら目にするようになってきました。自由診療とあわせて知っておきたいのが患者申出療養です。

患者申出療養とは、2016年4月からスタートした制度で、海外では承認されているものの国内では未承認の薬、治験、先進医療が実施されていないなど、受けたい治療を受けるのが困難な病期と闘う患者さんの思いに応えるためにできた制度です。

ここでは、患者申出療養の概要についてわかりやすく解説していきます。

■患者申出療養ってどんなメリットがあるの?

1.最先端の治療が受けられる

海外では承認されているものの、国内では未承認の治療が受けられます。厚生労働省によると患者申出療養の対象となる医療は、将来的に保険適用をめざすため計画が立てられる医療であって、計画を立てるために必要なデータ、科学的根拠があるものが対象となります。したがって、現時点である程度の科学的根拠がない医療や、それに基づいた計画を臨床研究中核病院において作成が困難な場合は、対象となりません。
そのため、制度利用のハードルは高いと言えます。
令和3年8月19日現在では、9種類の医療技術しか承認されておらず、制度としての歴史は浅くこの制度の対象になるのはかなり厳しいことがわかります。しかし裏をかえせばこの制度の対象となる治療にはある程度の安全性が国で確認されている、という安心感がありますね。

2.費用負担を減らすことができる

日本では保険診療(3割負担)と保険外診療(全額自己負担)がありますが、保険診療と保険外診療を受ける場合、原則として本来は保険診療で費用が3割負担の部分も全額自己負担になってしまいます。
しかし、患者申出療養として承認されると、本来保険診療の部分(診察、検査、投薬、入院料など)は3割負担ですむようになります。この仕組みは先進医療と同じで、医療費の自己負担が減るのでメリットがあるというわけです。したがって、未承認薬の費用など保険適用されていない部分については原則自己負担ですが、保険診療については3割負担ですみます。

出典:
「患者申出療養」制度とは?|厚生労働省HP 
患者申出療養の各技術の概要について|厚生労働省HP 

■利用するまでのながれ

患者申出療養として初めての医療を実施する場合は、まず患者さんから申出(主治医に相談)をし、それから患者さんから国に対して申出をします。医師や関連病院などが連携し病状に対してきちんと効く可能性が高いか(有効性)、大きな副作用の心配などがないか(安全性)などさまざまケースを検討したうえで実施可能性を探ります。その後、国の会議でか審査が行われ実施できるかが決定されます。国に申出をしてから患者申出療養の実施まで、原則6週間かかります。

前例がある医療を他の医療機関が実施する場合は、申出先が臨床研究中核病院に変わりますが申出から患者申出療養の実施まで、原則2週間かかります。

出典:患者申出療養 | 東京大学医学部附属病院臨床研究推進センター HP

■まとめ

患者申出療養は制度としての歴史はまだ浅く、承認の事例もまだ少ないです。いま健康である方にとっては縁遠い話のように感じるのではないでしょうか?しかし、挑戦してみたい自由診療があるけれどさまざまな理由でそれが難しいという方は実際にいらっしゃいます。そのような方が治療を受けていただくために役立つ制度がこの患者申出療養制度です。家族や友人など、周りの大切な方でそのような思いをしている方がいたときは、この制度を思い出していただけたらいいなと思います。
また、患者申出療養を受けたときにかかる技術料が保障される保険も出てきています。自身の保険を検討する際には、ひとつの判断材料として考えてみてください。

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

なかちゃん 株式会社WDC フィナンシャルアテンダー

元栄養士、ファイナンシャルプランナー。二児のママ。 自身の家族の壮絶な経験から「保険への必要性」「保険で病気と戦える権利をもてる」 をお客さまに説くことを信念とする。 バスケは趣味だが、ガチ。(優勝経験あり。)

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