契約前に知っておきたい

2021.08.27

自由診療って知っていますか?~がんと自由診療~

最近の保険商品の特徴として「自由診療」という言葉を聞く事が多くなりましたが、皆さんは聞き覚えがありますか?
先進医療と混同してしまっている方も多い印象がありますが、先進医療と自由診療は別物です。

今回は自由診療についての基本的な知識と、がん治療にフォーカスした自由診療のお話をしていきます。

■自由診療とは

自由診療とは、厚生労働省によって日本国内での使用がまだ承認されていない薬や、検証段階の新たな治療法を用いた診療です。国内では未承認でも海外では承認済みの薬を使用したり、治療を行う場合が自由診療に該当します。

例として国内未承認の抗がん剤免疫療法乳房の再建術があります。自由診療は将来的に安全性や効果が承認されれば※1先進医療に認定されます。自由診療でかかった費用は、公的医療保険制度適用外なので全額自己負担です。さらに※2混合診療ができないので、自由診療以外での治療費(本来なら公的医療保険制度適用の治療費)も一部負担にならず全額自己負担です。

自由診療にはがん治療・難病治療へ最先端の医療技術を使用する診療も含まれるので大学病院や大病院での治療をイメージする人もいらっしゃるかと思います。実は、街のクリニックなどで受けるような治療も自由診療に該当していることがあります。その例として、レーシックなどの視力矯正手術、美容整形手術、胃内視鏡検査、男性型脱毛症(AGA)治療、インプラント、歯列矯正などがあります。

※1 先進医療 
厚生労働省によって定められている高度な医療技術や最先端の治療法の総称。保険外診療だが、保険診療との併用が可能。患者が希望しただけでは受けることができず、担当医も先進医療で治療する必要性・合理性が認められると判断した場合に治療が可能となる

※2 混合診療 
保険診療(費用3割負担)と保険外診療(費用が全額自己負担)を併用すること

まとめると、自由診療の対象となる最先端の医療技術には、
1.厚生労働大臣がまだ承認していないが、高い治療効果が期待できる最先端の治療方法や治療薬
2.先進医療が実施可能な医療機関として認められない医療機関で、先進医療と同等の医療技術を使用した治療を受ける場合
があります。

■保険診療・先進医療・自由診療にかかる医療費の自己負担割合

■自由診療はどんな人が使う?

ここからは”がんに対する自由診療”についてお話をしていきます。

基本的に自由診療は患者の意思で受けることができます。
まずは保険診療で患者に治療の効果があるのかを確かめ、目立った効果が認められない場合に最先端の自由診療を受ける事を検討するケースがあります。自由診療は保険診療で期待する結果が得られなかった状況下での次なる希望と言えますね。
がん治療の過程においては、さまざまな保険診療に臨んでいきます。その中で思うような効果が得られずに病期の進行が抑えられない、保険診療が体に合わず副作用が苦しくて続けるのが困難である、といった状況も想定されます。そんなとき、自由診療が選択肢としてあると、患者自身はもちろんそのご家族も、新たな希望をもってがんとの闘いにむかっていけます。人によっては保険診療を継続しつつ自由診療を受けるという方もいらっしゃいます。

自由診療は現時点では国内で明確な効果があると認められた治療ではありませんが、「それでも快方への望みが少しでもあるならそれに賭けてみたい」と思う方もいらっしゃいます。自由診療はそんな気持ちを応援してくれるものです。主治医から提案された保険診療が自分には合わなくても、それこそ国を越えて「自分に合う治療を見つけて挑戦してみたい」という思いに応えるのが自由診療です。

■自由診療のメリット・デメリット

・メリット 

1.自分の体質や病気に最適な治療を受けるための選択肢が広がる。

保険診療で思うような効果が得られない場合でも、自由診療を選択肢に入れることで治療の手段が増えます。
医療機関にもよりますが、先進医療を行える医療機関と認定されていなくても先進医療と同レベルの最先端の技術を用いて治療してもらうことができます。また、国内では未承認の薬であっても海外で既に承認され高い効果が認められている治療を行うことができます。
ちなみに、欧米や欧州では承認され、国内で薬事法上未承認・適応外であるがん領域の医薬品は、国立がん研究センターによれば166種類あります。

出典:「国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト」(2021/4/30時点のデータ)(承認年月日順)

・デメリット

1.患者の経済的負担が大きくなる。
自由診療には費用総額で数百万~数千万を超える場合や、併用している保険診療があればその部分も全額自己負担になってしまいます。診療を継続するための貯蓄が十分にない場合や、自由診療を保障の対象とする民間の保険に加入をしていない場合は、経済的理由から自由診療を受けることが難しくなってしまうかもしれません。

2.安全性の不安 
国内未承認薬を使えるというメリットの裏返しですが、海外で高い治療効果が出ている治療でも日本人の体質に合うかどうか必ずしも十分に実証されているわけではありません。想定されない副作用が起きてしまうという事も考えられます。

3.副作用時に注意が必要
自由診療のクリニックは外来診療のみのところが多く、副作用がおきたときの対応が弱い場合があります。副作用に対して入院治療が必要になった場合はどのように対応をしてもらえるのか事前に確認しておくことが大切です。

■まとめ

メリットよりもデメリットの数が多くなってしまいましたが、デメリット1自由診療にも対応する民間のがん保険があるため、そういった保険に加入しておくことで数千万という高額な治療にも挑戦ができます。また、自由診療を受ける場合は患者申出療養という制度が利用できると保険診療の費用を自己負担3割のままにすることができ、経済的負担を少なくできます(制度利用の承認を得られた事例は令和2年7月21日現在では8種類と、かなり厳しい数字ではあります)。

デメリット3も、あらかじめ確認と対策をしておけば対応もできます。

費用を考えると限られた人しか受けることができないように感じる自由診療ですが、準備があれば、貯蓄が十分になくても挑戦できる治療です。

インターネットで自由診療について調べると賛否両論ありますが、「治療をして元気な体に戻るためにできることは何でも挑戦したい」「あらゆる手を尽くしたいと」思う方にはとても価値があるものだと思います。保険診療が合わなくてもまだ他に挑戦できる治療がある、という点は、がんと闘っていく上で大きな希望になります。今やがんは2人に1人が罹患すると言われている時代です。自分を守るため、大切な人を守るため、治療の選択肢が広がる”自由診療”へ挑戦できる準備があれば安心ではないでしょうか?

※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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WRITER’S PROFILE

なかちゃん 株式会社WDC フィナンシャルアテンダー

元栄養士、ファイナンシャルプランナー。二児のママ。 自身の家族の壮絶な経験から「保険への必要性」「保険で病気と戦える権利をもてる」 をお客さまに説くことを信念とする。 バスケは趣味だが、ガチ。(優勝経験あり。)

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