保険の基礎知識

2022.05.18

医療保険の女性疾病特約とは?必要性と特徴について解説【FP監修】

医療保険のなかには、女性疾病特約が選べるものがあります。女性がかかりやすい病気などに備えられる女性疾病特約ですが、自分にも必要なのかわからない人もいるでしょう。
この記事では、女性疾病特約の特徴を紹介し、医療保険や女性保険との違いを比較しながらその必要性を解説します。
女性疾病特約をつけるか迷っている人はぜひ参考にしてください。

医療保険の女性疾病特約とは

女性疾病特約とは、乳がんなど女性特有の疾病に備える特約です。ここでは、女性疾病特約の特徴や、どのような病気や健康上のトラブルがカバーできるのかを紹介します。
女性疾病特約の特徴は手厚い保障
女性疾病特約とは、女性疾病での手術や入院で保障内容が手厚くなる特約です。
入院給付金日額5,000円の医療保険に加入している場合で考えてみましょう。仮に乳がんになった場合、入院一日あたり5,000円を受け取れます。しかし、もしも所定の女性疾病などで給付金が通常の倍になる女性疾病特約を付帯していれば、日額10,000円を受け取れるのです。

上記では入院給付金を例に説明しましたが、保険会社によっては手術給付金など入院以外でも手厚い保障が受けられる場合もあります。

女性疾病特約でカバーできる病気

女性疾病とは乳房や子宮、卵巣などの女性器官の病気です。以下が主な女性疾病の例です。

  • 乳がん
  • 子宮がん・子宮体がん・子宮頸がん
  • 卵巣がん・卵巣のう腫
  • 子宮筋腫・子宮内膜症

このほかにも妊娠や帝王切開などの出産に関わるものや合併症なども含まれます。

保険商品によっては、三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)や女性がなりやすい鉄欠乏性貧血、関節リウマチなどを幅広く対象としていることもあります。

医療保険や女性保険との違い

女性疾病特約の保障内容は医療保険や女性保険と共通している部分もあります。医療保険・女性保険と女性疾病特約との違いを解説します。

医療保険との違い

医療保険でも女性特有の疾病に対して保障を受けることは可能です。しかし、女性疾病特約のような保障の上乗せはありませんので、仮に入院した場合は保険加入時に決めた通りの入院給付金を受け取ります。

手厚い保障を受けたい場合は、入院給付金日額を増やす方法がありますが、それに応じて保険料も高くなります。女性疾病特約に加入した場合も加入していない時と比べて保険料は上がりますが、入院給付金日額を増額するよりは保険料が抑えられるでしょう。

女性保険との違い

女性疾病に備える方法として、女性保険もあります。どちらも女性疾病に対して他の病気やケガよりも手厚い保障が受けられるものですので、違いがわかりにくいかもしれません。

女性疾病特約と女性保険の違いは単独で加入ができるかどうかです。女性疾病特約は一般的な医療保険に加入していることを前提として、保障を上乗せするものです。そのため、女性疾病特約だけに入ることはできません。もし医療保険を解約すると同時に女性疾病特約も解約されます。しかし、反対に、女性疾病特約だけを解約することは可能です。

一方、女性保険は単独で加入できます。しかし、女性疾病に関する保障など、一部分だけを解約することはできません。

女性疾病特約の必要性を考える4つのポイント

女性疾病特約のメリットは、女性がかかりやすい病気や妊娠・出産で通常よりも手厚い保障が受けられることです。しかし、特約を付帯すれば保険料は高くなるため、迷っている人もいるでしょう。ここでは、女性疾病特約が自分にとって必要かどうかを考えるポイントを4つ紹介します

女性特有のがんのリスク

国立がんセンターの「全国がん登録罹患データ(2016〜2018年)」によると、日本人が一生のうちがんと診断される確率は男性65.0%(2人に1人)、女性50.2%(2人に1人)です。さらに、女性のがんで最も患者数が多いのは乳がんであり、大腸・肺・胃がんに次いで5番目に多いのが子宮がんです。

また、女性特有のがんは若年層でも発症リスクが高く、50代前半までは男性より女性のがん発症率の方が高いというデータもあります。

妊娠・出産のトラブル

妊娠や出産は病気ではないため、検診や出産にかかる費用は自己負担です。しかし、妊娠中のトラブルや異常出産となった場合にかかる医療費は女性疾病特約の保障対象です。

妊娠中のトラブルには前置胎盤や妊娠糖尿病、切迫早産などさまざまなものがあります。一方、出産時のトラブルで代表的なものが帝王切開です。近年、帝王切開による出産は増える傾向にあり、厚生労働省の「2017年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によると約4人に1人が帝王切開で子どもを産んでいるといえます。

入院時は差額ベッド代に注意

差額ベッド代は通称で、正式名称は特別療養環境室料です。トイレや洗面台、冷蔵庫などが備えつけられている個室や2〜4人などの少人数部屋を利用した場合に必要で、その金額は病院によってさまざまです。

厚生労働省が令和元年7月に調査した、差額ベッド代の1日あたりの平均額を紹介します。

入院1日あたりの差額ベッド代
  1日あたりにかかる費用
1人室 8,018円
2人室 3,044円
3人室 2,812円
4人室 2,562円
※参考:第422回中央社会保険医療協議会 主な選定療養に係る報告状況(令和元年7月)|厚生労働省

差額ベッド代は全額自己負担のため、短期間の入院でも高額の費用がかかる可能性もあります。しかし、特に女性特有の疾病では見た目の変化などに対する周囲の目を気にせずに療養に専念するため、できれば個室などを利用したいと考える人は少なくないでしょう。

医療費以外に必要な費用

女性が入院した場合に必要なお金は医療費だけではありません。小さい子どもがいるなら、入院中に子どもの世話をする人が必要になる可能性があります。また、女性が働いている場合、入院中の収入減少が家計に与える影響は無視できないでしょう。

女性疾病特約で受け取った給付金は医療費以外に使うことも可能です。

まとめ

女性疾病特約は一般の医療保険の保障に加えて、女性がかかりやすい病気や妊娠・出産時のトラブルをさらに手厚く保障するものです。使い方次第では、医療保険そのものの保障を充実させるよりも、もしもの時に対して効率的に備えられるでしょう。

年齢やライフステージによって必要な備えは異なります。たとえば、教育費や住宅ローンで出費が多い時期だけ手厚い保障を必要とすることもあるでしょう。女性疾病特約はその名の通り、あくまでも「特約」のため、不要になれば解約できる手軽さも特徴です。

医療保険に女性疾病特約を付けるかどうかを検討している人にこの記事が役立てば幸いです。

監修者情報

株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。日本FP協会AFP認定者。2022年夏より金融教育のプロダクト提供。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。


※この記事に記載の情報は公開日時点のものです。

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リアほMAGAZINE編集局

保険選びのリアルな情報やノウハウをシンプルに分かりやすく解説するリアほ編集局です。

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