保険の基礎知識
2022.03.22
就業不能保険が独身の人にもおすすめの理由を特徴とともに解説
独身だと保険はいらないと考えている人もいるでしょう。確かに、経済的に支えている家族がいる人と比べると、独身の人が保険に入る必要性は高くないようにも思えますが、本当にそうでしょうか。
たとえば、予想外の病気やケガである程度の期間働けなくなることは誰にでも起こりえます。しかし、仕事を休まなければいけない期間が長くなると収入が減ってしまうため、生活費などが払えるのか不安になりますね。
この記事では、働けなくなったときに給付金が受け取れる就業不能保険について、その特徴やどのような人におすすめか、特に独身の人にとっての必要性を解説します。
就業不能保険とは
就業不能保険とは、病気やケガが原因で長期間働けない状態になったときに、給付金が受け取れる保険です。
就業不能保険の特徴を4つ解説します。
- 長期間にわたって働けないときの収入減少をカバーできる
- 医療保険の対象外の在宅療養もカバーできる
- 支払い条件が厳しいことがある
- 主婦やパートだと加入できないことがある
長期間にわたって働けないときの収入減少をカバーできる
給料のように毎月一定額が支給されるため、仕事を休むことによる収入減少を補い、生活費に備えることに向いています。給付金は契約で定められた就業不能状態になってから一定期間の支払い対象外期間を経たあと、再び働けるようになるまで、もしくは保険期間が終了するまで支払われます。
日本では病気やケガで長期間療養する場合、会社員や公務員なら健康保険から傷病手当金が支給されることがあります。また、障害が残った場合は障害年金も受給可能です。しかし、それらの公的保障だけで生活費をすべてまかなうのは難しいため、就業不能保険で生活費の不足に備えておくと安心です。
医療保険の対象外の在宅療養もカバーできる
病気やケガの際に保障が受けられる保険には医療保険がありますが、就業不能保険には在宅療養でも給付金が受け取れるという特徴があります。医療保険はあくまでも医療費をカバーするためのものであるため、入院している期間しか給付金は支給されません。しかし、就業不能保険なら病気やケガが原因で在宅療養している期間にも給付金が受け取れます。
支払い条件が厳しいことがある
就業不能保険の特徴のうち、注意が必要なのは商品によっては給付金が支払われる条件が厳しいものもあることです。仕事を休まなければいけない状態になったら必ず給付金が受け取れるわけではありません。
特にうつ病などの精神疾患による入院などの取り扱いは商品によってさまざまです。精神疾患でも給付金が支払われるものから、支払われたとしてもごく少額であるもの、就業不能状態とはみなされず給付金が受け取れないものまであります。給付金が支払われる範囲が広いほど保険料が高くなる傾向がありますので、加入に際しては必要な保障と保険料のバランスを考えながら選びましょう。
主婦やパートだと加入できないことがある
保険会社によっては、主婦やパート、アルバイトだと就業不能保険に入れなかったり、入れたとしても条件があったり、保険料が割高になったりすることもあります。
就業不能保険がおすすめな人・おすすめでない人
就業不能保険の特徴を踏まえ、どのような人におすすめ・おすすめでないかを紹介します。
就業不能保険がおすすめでない人
以下のような人には就業不能保険はおすすめではありません。
- 十分な貯蓄や資産がある人
- 労働による収入以外の収入源がある人
十分な貯蓄や資産があったり、不動産収入のように給料など以外の収入減がある人は仕事を休むことによる収入減少があっても、保険を使って生活費をカバーする必要性は高くないでしょう。
ただし、仕事を休まなければいけない状況がどれくらいに長く続くかはわかりません。思いがけず長期にわたって働けなくなることによる経済的ダメージが不安な人は、就業不能保険がその不安を和らげてくれるかもしれません。
就業不能保険がおすすめな人
就業不能保険がおすすめなのは
- 自営業やフリーランスの人
- 貯蓄が少ない人
- 独身の人
です。
会社員や公務員なら長期間仕事を休んだときに最長1年半にわたり、加入している健康保険から傷病手当金を受け取れます。しかし、自営業やフリーランスの人などが加入している国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。有給休暇などの制度もないため、仕事を休むことによる収入減少に自分で備える必要があります。
また、貯蓄が少ない人にも向いています。働けない期間の生活費をまかなえるだけの貯蓄がない人は、もしものときの経済的リスクに保険で備えることを検討しましょう。
最後に、独身の人にも就業不能保険がおすすめです。その理由については次の項目で詳しく解説します。
独身の人に就業不能保険が必要な理由
守るべき家族がいない独身の場合、生命保険の加入は不要だと考える人もいますが、独身の人にも病気やケガのリスクはあります。また、独身ならではの経済的リスクもあり、就業不能保険はそうしたリスクに備えられる保険の一つです。
ここでは独身の人に就業不能保険が必要な理由として
- 他に収入を得ている家族がいない
- 若くて貯蓄がまだ少ない傾向がある
について解説します。
他に収入を得ている家族がいない
独身の人の場合、既婚の人のように経済的に支えなければいけない家族はいませんが、その一方で、自分にもしものことがあったときに支えてくれる人もいないというリスクがあります。病気やケガで働けなくなった場合、既婚であれば配偶者が代わりに働いて生活費をまかなうこともできますが、独身では自分の収入が減少するとすぐに生活費が不足してしまいかねません。
経済的に頼れる家族がいない独身だからこそ、就業不能保険で収入減少に備えることを考えましょう。
若くて貯蓄がまだ少ない傾向がある
独身の人の多くは20代や30代などの若い世代のため、社会人として働きだしてからの期間が短く、収入もそれほど多くないため、貯蓄が少ない傾向があります。貯蓄が多ければある程度の期間、仕事を休まなければいけなくなっても傷病手当金などの公的保障などを利用し、貯蓄を取り崩しながら生活することも可能です。
しかし、若い独身の人の場合は、減ってしまった収入を貯蓄で補うのは難しいことが多いのではないでしょうか。就業不能保険は十分な貯蓄がない独身の人に向いています。
まとめ
就業不能保険は病気やケガなどによって働けなくなったときに給付金が受け取れるため、収入減少をカバーするのに適しています。特に自営業やフリーランスの人、自分以外に収入を得ている家族がいない独身の人や貯蓄が少ない人は、就業不能保険が役立つ場面があるかもしれません。
ただし、加入する際は精神疾患でも給付金が受け取れるかなど、支払い条件などをよく確認するようにしましょう。
この記事が就業不能保険に入るか迷っている人の参考になれば幸いです。
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リアほMAGAZINE編集局
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